著者
常松 浩史 吉村 淳 春島 嘉章 長村 吉晃 倉田 のり 矢野 昌裕 佐々木 卓治 岩田 伸夫
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.279-284, 1996-09-01
被引用文献数
15

RI系統群は遺伝的に固定しているので分離することなくその増殖と配布が可能である.さらに,そのRI系統群を用いて連鎖解析を行えば,現在それぞれ独立している地図情報を統合することや新しく単離された分子マー力-の連鎖地図上での位置を容易に推定することができる.そこで,本研究ではイネにおけるRI系統群の作出とそれを用いたRFLP骨格地図の作成を行った. 日本型品種「あそみのり」とインド型品種「IR24」のF_2個体から単粒系統法を用いて自殖を重ね,F_6世代で165系統からなるRI系統群を作出した.この中の71系統をF_6とF_7でRFLPマッピングに供試した.マッピングにはSaito et al(1991)およびKurata et al(1994)によるRFLPクローンを用いた.連鎖分析の結果,構築されたRFLP連鎖地図は375個のマーカーからなり,その全地図距離は1275cMであった(Fig.1).また,染色体ユ,3,6,11,12においてはマーカーの分離のひずみが観察され(Fig.1),そのすべてにおいて日本型親の「あそみのり」の遺伝子頻度が減少していた.F_6におけるヘテロ接合体領域の割合はO%から19.3%で,その平均は3.6%であった.また,F_7におけるヘテロ接合体領域の割合はO%から5.5%で,その平均は1.9%であった(Fig2).

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こんな論文どうですか? RI系統群を用いたイネのRFLP基本骨格地図(常松 浩史ほか),1996 http://t.co/l9IvxWNK9n RI系統群は遺伝的に固定しているので分離することなくその増殖と配布が可能である.さらに,そのRI系統群を用いて連鎖解析を行えば,現…

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