著者
平井 正志 小崎 格 梶浦 一郎
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.377-389, 1986-12-01
被引用文献数
2

カンキツ類のアイソザイムによる遺伝子分析についてはT0RRESらによって行なわれているが,我が国に栽培されている多くのマンダリン類およびナツミカン,ハッサクなどについては未だ十分に分析がされていない.これらのカンキツのグルタミン酸-オキザロ酢酸アミノ転移酵素(GOT)およびリンゴ酸脱水素酵素(MDH)について分析した. 果樹試,興津支場などで保存されているもの105点,交雑あるいは自殖実生31点の計136点のカンキツを分析した.GOTについては粗抽出物を脱塩した後,またMDHについてはBlue Sepharose CL-6Bを用いて酵素を部分精製した後,アクリルアミドスラブゲル電気泳動で分析した.本研究ではGot-1の遺伝子座に関してS,A,M,FおよびP,Go-2の座ではS,M,BおよびA,Mdh-1ではA,T,B,DおよびGの対立遺伝子が識別された.このうち,Got-1のA,Got-2のA,Bは新たに発見されたものであった.

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