著者
竹内 伸直 成田 憲一 後藤 幸弘
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.137-146, 1994-03-31
被引用文献数
5

1991年2月21日に日本海に発生したメソスケール擾乱について,気象要素と地表面静電界との関連性を検討した.観測データのうち,気圧と風速についてウエブレット変換法を用いて解析した.この解析では,約3時間にわたる微小変動を,約0.5分から30分のスケールパラメータを持つウエブレット変換図にして示した.さらに,気圧と風速の変換図同志の相互相関を時間位相差が前後30分までの場合について計算して,擾乱下では各気象要素の変動に強い相関が存在することを示した.相関の強いスケール成分だけを用いた逆ウエブレット変換により,時系列の波形に戻し,これらと地表面静電界との関係を示した.以上の結果より,大気の対流活動が活発になると,上昇と下降流による電荷分離が生じ,このことにより地表面静電界が誘起されると共に対流に伴う微小な気圧変動が発生することを示すことが出来た.以上の手法を用いることにより,新しい短時間雷予測法を開発することが期待される.

言及状況

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こんな論文どうですか? 冬期日本海でのメソスケール擾乱内に発生する雷雲セルと気象要素の微小変動との相関関係,1994 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001813399

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