著者
竹内 伸直 中鉢 憲賢 成田 憲一 本間 規泰 高橋 忠利
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.116, no.6, pp.719-724, 1996-05-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

To examine the possibility of electromagnetic precusor preceding an earthquake the vertical earth potential difference (EPD) has been observed continuously at an urban area. Iregularily continued pulses had been observed for several hours before and after the Off East Hokkaido earthquake. We have referred both a series of signals of the terrestrial magnetism and the lightning location (LLP) map. No significant signal is recognized on those of terrestrial magnetism, however, severe lightning flashes occured over the Japan Sea at this time. To clarify the cause of the EPD pulse signal, the LLP map and the radar echo map are shown in the case of (a) near lightning flashes (b) far lightning flashes (c) the Off East Hokkaido earthquake. The signals in the cases of (b) and (c) are similar, therefore, the pulses are detected by the far lightning electromagnetic change. The LLP map must be referred to examine electromagnetic precusors of an earthquake. The EPD signal generated by propagating seisamic wave is also recorded.
著者
竹内 伸直 大久保 寛 高山 正和
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

地震発生に関連すると予想される大気電気変動信号は非常に微弱であるため,大型静電アンテナを製作してこの微弱な変動信号を観測することを計画し,大型静電アンテナ建設など具体的な観測システムの整備を行った。静電アンテナの近傍には,観測信号を記録するデータ処理システムを収納するための観測小屋を設置し,空調機の導入により無人で長期間の観測を可能としている。観測点として(1)秋田県本荘市の秋田県立大学本荘キャンパス,(2)秋田県協和町の秋田県立大学セミナーハウス,(3)秋田県仙南村の農村広場の3カ所を選定し,大型静電アンテナ他の観測設備の設置を完了した。平成12年8月から大型静電アンテナの豪雪地での耐気候テスト,観測システム全体の調整および試験的なデータ収集を継続し,本研究の2年目となる平成13年度から本格的な観測を継続して行ってきた。観測期間中の平成13年12月2日の22時2分ころ,岩手県内陸南部の地下深く発生した地震は,秋田県内全域で震度3以上の揺れとなり,本研究で準備した3箇所の観測点で,地震波に伴う各種の変動信号を観測することに成功した。主な結果は,以下の通りである。(1)3観測点で地震波伝搬時に地電位差変動,大気電気変動信号が観測できる。(2)観測点により変動信号の振幅が大きく異なる。(3)地電位差変動信号の発生と大気電気変動信号の発生には密接な関係が認められる。(4)観測点の地層状態が変動信号の発生に大きな影響を与えていると推測できる。本研究で得られた観測結果およびこれまでに得られた研究結果をもとにして,地震波伝搬時の地電位差変動の発生モデルをより明確にすることが出来た。すなわち,地下水面の位置と埋設電極の配置の違いにより,発生する地電位差変動信号の大きさが異なる。したがって,地下水面からの地下水の流動による電位の発生が地電位差変動の原因とすることが出来る。
著者
川上 大喜 大久保 寛 内田 直希 竹内 伸直 松澤 暢
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.474, pp.169-174, 2015-02-23

相似地震(微小繰り返し地震)とは,同一のアスペリティ(固着域)が原因となって発生する地震のことを指す.相似地震は発生時刻が異なってもほぼ同一な波形,つまり相似な波形を伴う性質を持つことがわかっている.この相似地震を解析する事によって,個々の地震の原因となるアスペリティの特性を抽出することや,プレート境界で生じるすべりの時空間発展をモニタリングする事が可能となる.本研究では相似地震の検出法としてフーリエ位相相関法とその手法に対して地震の主要周波数を考慮して帯域制限を施したフーリエ帯域制限型位相相関法,直交3成分地震波データに用いたコヒーレンス関数を適用し,その有効性について検討した.また近年,演算能力の高さから関心を集めているGPU(Graphics Processing Unit)を利用した汎用計算アーキテクチャであるGPGPU(General Purpo Secomputation on GPU)を応用した並列計算処理による高速化についても検討し,処理に要する計算時間を比較した.加えて,これらの一次元信号の対する相関処理演算に対してマルチGPUによるGPGPUを適用し,その有効性についても併せて検討した.
著者
大久保 寛 佐藤 慎也 竹内 伸直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.837-840, 2005-04-01
被引用文献数
16 1

落雷による電磁界の時間波形を観測する場合, 電磁界の伝搬経路中の大地の影響により観測波形が変歪する.本論文では, FDTD法を用いて大地を有限の導電率を有する媒質とした場合を計算し, 観測される波形のピーク時間への影響を解析している.
著者
竹内 伸直 成田 憲一 後藤 幸弘
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.137-146, 1994-03-31
被引用文献数
5

1991年2月21日に日本海に発生したメソスケール擾乱について,気象要素と地表面静電界との関連性を検討した.観測データのうち,気圧と風速についてウエブレット変換法を用いて解析した.この解析では,約3時間にわたる微小変動を,約0.5分から30分のスケールパラメータを持つウエブレット変換図にして示した.さらに,気圧と風速の変換図同志の相互相関を時間位相差が前後30分までの場合について計算して,擾乱下では各気象要素の変動に強い相関が存在することを示した.相関の強いスケール成分だけを用いた逆ウエブレット変換により,時系列の波形に戻し,これらと地表面静電界との関係を示した.以上の結果より,大気の対流活動が活発になると,上昇と下降流による電荷分離が生じ,このことにより地表面静電界が誘起されると共に対流に伴う微小な気圧変動が発生することを示すことが出来た.以上の手法を用いることにより,新しい短時間雷予測法を開発することが期待される.