著者
藤岡 唯志 藤田 政良 宮本 芳城
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.117-123, 1999-01-15
被引用文献数
4 8

エンドウの試験管内での世代促進技術を開発するため, 種子を無菌は種して培養し, 開花率, 結莢率が高くなる培養容器, 容器の栓, 温度, 照度, 照明時間, 培地成分などの培養条件を明らかにした.1. 試験管内の培養条件においても, エンドウは生育, 開花に関して, ガラス温室で栽培した時と同じ品種特性を示した.早生で短節間である'美笹'など絹さや品種では開花率, 結莢(結実)率がともに100%であったが, 晩生で節間の長い'きしゅううすい'などの品種では, 開花率, 結莢率が低かった.2. 開花率, 結莢率が最も高くなる培養容器と栓は, '美笹', 'きしゅううすい'ともに, φ30×200mm試験管と綿栓であった.3. 25℃で培養した場合, 20℃区に比べて, '美笹'では, 開花および結莢が早くなった.'美笹', 'きしゅううすい'ともに, 10, 000lxの照明は3, 000lxに比べて, 開花率, 結莢率が高く, 開花が早くなった.また, 'きしゅううすい'では24時間照明は16時間に比べて, 開花率が高く, 開花が早く, 結莢率が高くなった.4. 'きしゅううすい'の結莢率が最も高くなる培地組成は, MS培地の窒素濃度が標準, ショ糖濃度が3%, ホルモンはNAA0.5mg・liter^<-1>添加又は無添加であった.5. 'きしゅううすい'の培養において, 培地へわい化剤ウニコナゾール10mg・liter^<-1>やアンシミドール10mg・liter^<-1>を添加することにより, 無添加に比べ, 茎長と節間長が短く, 節数が少なくなった.また, ウニコナゾール添加区は, 開花率, 結莢率が高く, 開花および結莢が早くなった.

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こんな論文どうですか? 無菌発芽したエンドウの in vitro での開花, 結莢(藤岡唯志ほか),1999 http://id.CiNii.jp/HmdYL

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