著者
古屋 挙幸 宮本 芳城 藤岡 唯志 村上 豪
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.7, pp.81-88, 2006-03
被引用文献数
1

スターチス・シヌアータの新品種'紀州ファインホワイト'と'紀州ファインイエロー'を育成した。新品種の特性は次のとおりである。1.両品種ともスターチス萎凋細菌病に対して、強い抵抗性がある。2.両品種とも花房が大きくて花房数が多く、ボリュームがある。また、'紀州ファインホワイト'のがくの色は純白に近く、花冠の色は淡いクリーム色である。'紀州ファインイエロー'のがくの色はレモン色で、花冠の色は濃い黄色である。3.収量性は'紀州ファインホワイト'が中程度、'紀州ファインイエロー'が多収性である。また、両品種とも切り花の2L率が高い。
著者
小川 大輔 古屋 挙幸 藤岡 唯志 宮本 芳城
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.13, pp.15-23, 2012-03

紀州ファインルビー'を種子親として,スターチス・シヌアータ新品種'紀州ファインバイオレット'および'紀州ファイングレープ'を育成した。両品種の特性は次のとおりである。'紀州ファインバイオレット' 1. がくの色は'デュエルバイオレット'と同等の濃い青紫色である。 2. 初期の切花長がやや短いが,収量性が高く,草姿は立性で作業性がよい。 3. 低温要求性は比較的高く,培養温度によっては3~4週間の低温処理が必要である。 '紀州ファイングレープ' 1. がくの色は'紀州ファインバイオレット'よりやや赤みを帯びた紫色である。 2. 草丈が伸びやすく,採花初期から秀品率が高い。また,収量性も高い。 3. 低温要求性は比較的高く,培養温度によっては3~4週間の低温処理が必要である。
著者
宮本 芳城 藤岡 唯志 藤田 政良
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.3, pp.35-42, 2002-03

シュッコンカスミソウの培養過程において効率的にロゼット化しにくい個体を選抜するため、試験管内での選抜法について検討した。 1.シュッコンカスミソウではカルスからの再分化個体では、茎頂培養個体に比べて試験管内およびほ場での生育のばらつきが大きく、変異の拡大に有効であった。 2.茎頂培養個体または茎頂由来カルスからの再分化個体をアンシミドール2.Omg/liter添加した1/2MS培地を用い、20℃、3,000lx、16時間照明下で培養することによって、試験管内での植物体の伸長抑制程度(草丈)が系統の特性と一致し、試験管内での低ロゼット個体の選抜ができた。 3.試験管内で選抜した植物体を栽培した結果、試験管内での伸長抑制程度とほ場移植後のロゼット性程度が一致し、試験管内での選抜が有効であることが検証できた。
著者
宮本 芳城 川村 和史 梅本 哲矢
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.6, pp.13-23, 2005-03

県産米「キヌヒカリ」の品質低下の主な原因となっている心白粒など白未熟粒の発生要因を明らかにするため、移植時期と収量、品質との関係を検討し、登熟初中期にあたる出穂後20日間の気象要因の影響について解析した。1.移植時期と収量および収量構成要素との関係は明らかではなかった。2.移植時期と白未熟粒発生との関係は年次によって差がみられるが、移植時期は遅いほど白未熟粒の発生が減少する傾向が認められた。3.白未熟粒の発生と出穂後20日間の日最高気温の平均および日平均気温の平均との間に高い相関が認められ、この期間の温度が高いと白未熟粒の発生が増加したまた、この関係は栽培条件の異なる現地ほ場においても認められた。4.出穂後20日間の平均日照時間が長いほど白未熟粒発生割合が高くなる傾向がみられた。また、過度な日照不足は粒の充実不足を招き、白未熟粒の発生につながると考えられた。5.得られた近似式から「キヌヒカリ」の白未熟粒の発生を少なくするためには、出穂後20日間の日平均気温の平均を26.1℃以下、かつ日最高気温の平均を31.4℃以下にすることが有効であった。それには和歌山県北部の平坦地では出穂期を8月15日以降に遅らす必要があり、このときの移植時期は6月21日以降であった。
著者
藤岡 唯志 藤田 政良 宮本 芳城
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.117-123, 1999-01-15
被引用文献数
4 8

エンドウの試験管内での世代促進技術を開発するため, 種子を無菌は種して培養し, 開花率, 結莢率が高くなる培養容器, 容器の栓, 温度, 照度, 照明時間, 培地成分などの培養条件を明らかにした.1. 試験管内の培養条件においても, エンドウは生育, 開花に関して, ガラス温室で栽培した時と同じ品種特性を示した.早生で短節間である'美笹'など絹さや品種では開花率, 結莢(結実)率がともに100%であったが, 晩生で節間の長い'きしゅううすい'などの品種では, 開花率, 結莢率が低かった.2. 開花率, 結莢率が最も高くなる培養容器と栓は, '美笹', 'きしゅううすい'ともに, φ30×200mm試験管と綿栓であった.3. 25℃で培養した場合, 20℃区に比べて, '美笹'では, 開花および結莢が早くなった.'美笹', 'きしゅううすい'ともに, 10, 000lxの照明は3, 000lxに比べて, 開花率, 結莢率が高く, 開花が早くなった.また, 'きしゅううすい'では24時間照明は16時間に比べて, 開花率が高く, 開花が早く, 結莢率が高くなった.4. 'きしゅううすい'の結莢率が最も高くなる培地組成は, MS培地の窒素濃度が標準, ショ糖濃度が3%, ホルモンはNAA0.5mg・liter^<-1>添加又は無添加であった.5. 'きしゅううすい'の培養において, 培地へわい化剤ウニコナゾール10mg・liter^<-1>やアンシミドール10mg・liter^<-1>を添加することにより, 無添加に比べ, 茎長と節間長が短く, 節数が少なくなった.また, ウニコナゾール添加区は, 開花率, 結莢率が高く, 開花および結莢が早くなった.