- 著者
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飯塚 正英
工藤 暢宏
木村 康夫
荻原 勲
- 出版者
- 園藝學會
- 雑誌
- 園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.6, pp.767-773, 2001-11-15
- 参考文献数
- 25
- 被引用文献数
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ユキヤナギ(Spiraea thunbergii)とシモツケ(S. japonica)を交配して赤花のユキヤナギの作出を目的として, 両種間で正逆交雑を行った.1. 乾燥条件, -30℃で貯蔵した花粉は貯蔵後360日でも発芽および受精能力を維持することがわかった.2. S. thunbergii×S. japonicaでは, -30℃で270日間貯蔵した花粉は柱頭上で良く発芽し, 花粉管は花柱内を伸長して子房内の胚珠に達し, 10日後には胚珠の肥大が観察された.一方, S. japonica×S. thunbergiiでは, 花粉は柱頭上で良く発芽したが, 子房内の胚珠へ到達しなかった.3. S. thunbergii×S. japonicaの交配16日後に摘出して培養した胚珠は正常に発育する実生を生じ, 8個体が得られた.それらの個体の形態は両親の中間を示し, RAPDパターンは両親のバンドを併せ持ったことから雑種植物であると判断した.