著者
小山 憲司
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.61-73, 1999-07-30
被引用文献数
1

1920, 30年代のアメリカの大学図書館において, 実際にどのような利用教育が展開されていたのかを, 当時の調査研究と雑誌論文から考察した。その結果,まず1926年のALAの調査研究によって, 図書館利用教育の定義が明確化され, それには3つの類型が存在することが示された。また, 一般に講義と実習というラボラトリー・ワーク形式を基本とした利用教育が行われており, その際には, 図書館利用案内やテキストブック, 映画等のツールが利用されるようになったことも明らかとなった。このように, 大学図書館の利用教育は, 1920年代には主要な図書館サービスの1つとして見なされるようになっており, そこには, 今日の利用教育の原型と呼べるものを見出すことができた。その意味で, 1920, 30年代は, 図書館利用教育史において, 重要な時期であると考えられる。

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