著者
小山 憲司
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.2033, 2019-03-31 (Released:2019-03-27)

これからの学術情報システム構築検討委員会は,大学図書館と国立情報学研究所との連携・協力推進会議の下に設置された,国公私立大学の枠を超えて今後の学術情報システムのあり方について検討する組織である。2012年の設置以降,それまでに行われてきた議論を参照しながら検討を進め,2015年5月にその後の推進方針となる「これからの学術情報システムの在り方について」をとりまとめた。電子情報資源のデータの管理・共有とNACSIS-CAT/ILLの再構築(軽量化・合理化)の2 点を当面の課題として設定,それぞれ作業部会を設置し,具体的な活動を進めたほか,将来に向けた取り組みについても議論を重ねてきた。本稿ではこれまでの議論を紹介するとともに,私見も交えながらこれからの学術情報システムの方向と課題について検討した。
著者
佐藤 義則 小山 憲司 三根 慎二 倉田 敬子 逸村 宏 竹内 比呂也 土屋 俊
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.506-514, 2013-11-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
8

国内45機関の参加・協力の下,2011年10月から12月にかけ電子ジャーナルの利用に関するアンケート調査を実施し,広範囲の主題領域の研究者(教員,博士後期課程大学院生)から3,922の回答を得た。これらのデータを多方面から分析した結果,電子ジャーナルの利用がより広範囲にかつ深く浸透するようになっただけでなく,利用者の読書行動や意識(選好)も大きく変化していることが明らかとなった。また,電子ジャーナルの利用度の違いは国際文献と国内文献のいずれを主に利用しているかに密接に関係しており,印刷体と電子情報資源に対するそれぞれ別個のサービスモデルの維持を避けるためには,国内文献の電子化の遅れの解消が必要であることがあらためて確認された。
著者
小山 憲司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.102-112, 2010 (Released:2010-05-01)
参考文献数
19
被引用文献数
2

利用者の学術情報ニーズを補完する図書館間相互貸借(ILL)に注目し,それを取り巻く環境を概念モデルとして提示,検討することで,学術雑誌の電子化が学術文献の需給にどのような変化を与えているかを分析した。その結果,利用者の量的・質的変化,文献の発見可能性の高まりなど,文献需要を押し上げる要因が複数確認される一方で,ビッグ・ディール契約に基づく電子ジャーナルの導入や機関リポジトリを通じた一次資料の電子化など,電子的入手可能性の増大によるILLの減少が明らかとなった。学術雑誌の電子化が学術情報へのアクセス環境を改善したが,予算確保,未電子化文献への対応といった課題も認められた。オープン・アクセスの進展とともに,ILLという互助制度が今後も求められると考えられる。
著者
小山 憲司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.372-378, 2015-09-01 (Released:2017-04-13)

本稿は,情報通信技術の発達に伴うコレクション構築の現状と課題について,国内の大学図書館を中心に検討した。その結果,情報通信技術はオンライン出版物をはじめ,電子的に提供されるコンテンツの増加をもたらすとともに,多様な提供方法を開発しつつあることが確認された。一方,今なおハイブリッド図書館の時代にあるなか,冊子体資料,電子資料のいずれにも対応しつつ,コレクションを維持・管理することが図書館に求められていることも明らかとなった。情報通信技術によって,より電子的な情報入手の環境が整備されつつある現在,利用者の情報利用行動をも考慮した情報アクセス環境を整備していく必要がある。
著者
小山 憲司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.393-400, 2011-10-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
30

図書館間相互貸借(ILL)の概念モデルを用いて,国内の文献複写の現状を検討し,今後の課題について考察した。その結果,大学では文献需要が高まっているが,ビッグ・ディール契約に基づく電子ジャーナルの導入や機関リポジトリによる一次資料の電子化など,文献利用の可能性の向上により,ILLへの依存度が縮小した。一方,企業では文献需要自体が収縮したために,文献複写が減少したことが示唆された。学術雑誌の電子化が学術情報へのアクセス環境を改善した一方で,その恩恵を享受できない機関,利用者がいることから,国内全体で安定的な文献供給体制モデルを早急に確立する必要がある。
著者
小山 憲司
巻号頁・発行日
2012-12

2012年12月13日、機関リポジトリ担当者のための著作権ワークショップ(SCPJワークショップ)が大阪大学附属図書館 総合図書館で行われました。
著者
小山 憲司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.102-112, 2010
被引用文献数
3

利用者の学術情報ニーズを補完する図書館間相互貸借(ILL)に注目し,それを取り巻く環境を概念モデルとして提示,検討することで,学術雑誌の電子化が学術文献の需給にどのような変化を与えているかを分析した。その結果,利用者の量的・質的変化,文献の発見可能性の高まりなど,文献需要を押し上げる要因が複数確認される一方で,ビッグ・ディール契約に基づく電子ジャーナルの導入や機関リポジトリを通じた一次資料の電子化など,電子的入手可能性の増大によるILLの減少が明らかとなった。学術雑誌の電子化が学術情報へのアクセス環境を改善したが,予算確保,未電子化文献への対応といった課題も認められた。オープン・アクセスの進展とともに,ILLという互助制度が今後も求められると考えられる。
著者
小山 憲司
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.393-400, 2011-10-01

図書館間相互貸借(ILL)の概念モデルを用いて,国内の文献複写の現状を検討し,今後の課題について考察した。その結果,大学では文献需要が高まっているが,ビッグ・ディール契約に基づく電子ジャーナルの導入や機関リポジトリによる一次資料の電子化など,文献利用の可能性の向上により,ILLへの依存度が縮小した。一方,企業では文献需要自体が収縮したために,文献複写が減少したことが示唆された。学術雑誌の電子化が学術情報へのアクセス環境を改善した一方で,その恩恵を享受できない機関,利用者がいることから,国内全体で安定的な文献供給体制モデルを早急に確立する必要がある。
著者
佐藤 義則 竹内 比呂也 倉田 敬子 小山 憲司 三根 慎二 逸村 宏
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

国内 45 機関の参加・協力の下, 2011 年 10 月から 12 月にかけ電子ジャーナルの利用に関するアンケート調査を実施し,広範囲の主題領域の研究者(教員,博士後期課程大学院生)から 3,922の回答を得た。これらのデータを多方面から分析した結果,電子ジャーナルの利用がより広範囲にかつ深く浸透するようになっただけでなく,利用者の読書行動や意識(選好)も変化しつつあることが明らかとなった。
著者
土屋 俊 竹内 比呂也 佐藤 義則 逸村 裕 栗山 正光 池田 大輔 芳鐘 冬樹 小山 憲司 濱田 幸夫 三根 慎二 松村 多美子 尾城 孝一 加藤 信哉 酒井 由紀子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、今後の学術情報流通環境における大学図書館の役割を追求し、大学の教育研究の革新という観点から検討を行うとともに、それを実現するための要件を明らかにし、「2020年の大学図書館像」を描き出すことを目的とした。そのために大学図書館における情報サービス(NACSIS-ILL)と情報資源管理(NACSIS-CAT)の定量的、定性的分析を行い、時系列的変化を明らかにするとともにその要因について考察した。これらを踏まえ、さらにシンポジウムなどを通じて実務家からのフィードバックを得て、「2020年の大学図書館像」について考察した。
著者
小山 憲司
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.61-73, 1999-07-30
被引用文献数
1

1920, 30年代のアメリカの大学図書館において, 実際にどのような利用教育が展開されていたのかを, 当時の調査研究と雑誌論文から考察した。その結果,まず1926年のALAの調査研究によって, 図書館利用教育の定義が明確化され, それには3つの類型が存在することが示された。また, 一般に講義と実習というラボラトリー・ワーク形式を基本とした利用教育が行われており, その際には, 図書館利用案内やテキストブック, 映画等のツールが利用されるようになったことも明らかとなった。このように, 大学図書館の利用教育は, 1920年代には主要な図書館サービスの1つとして見なされるようになっており, そこには, 今日の利用教育の原型と呼べるものを見出すことができた。その意味で, 1920, 30年代は, 図書館利用教育史において, 重要な時期であると考えられる。