著者
伊藤 献一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.658-661, 1994

無重力下でローソクの炎は球形になる。高温の炎は地上では重力の影響で対流を生み出す。しかし, 無重力では自然対流がないため, ローソクの芯の先からロウの蒸気が全周に一様に拡散して球状の炎をつくる。このように, 対流の影響を取り除くと燃焼の本質が見えてくる。また, 無重力状態では, 液体燃料の粒や石炭の粒子を空間に静止させることができ, 粒子から粒子へ火の伝わる状態を正確に観察できる。燃料の燃焼研究や宇宙火炎の研究が今, 落下塔などの無重力環境を利用して行われようとしている。

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