著者
遠藤 薫
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
no.11, pp.37-47, 1999-09-30

デジタル社会は、ネットワーク上の電子空間と現実空間とが多重的に共在し、また、複数の異なる社会・文化が緊密に相互接続される社会である。このような社会は、一方であらゆる可能性が試され、旧来の境界(バリア)が解放される社会であり、他方では社会を構成するさまざまな行為主体が自らのアイデンティティの再構成を迫られざるをえない社会でもある。本稿では、このようなデジタル社会における境界とアイデンティティのパラドックスを、「可能世界」と「仮想世界」をキーワードとして解読する。さらに、このパラドックスを、社会のオートポイエーシス性との関連からむしろ積極的に捉えたうえで、共感を基盤とした社会を醸成するための装置について考察する。その装置として、まさしくデジタル社会とともに進展してきた新たな表現技術、すなわちシミュレーションや仮想現実技術の社会的機能に期待することができるのではないだろうか。

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可能世界的仮想世界 あるいは 仮想世界の可能世界的運用 フレーズとしてはどうだろう? ちなみに私の印象は魔界の匂いがぷんぷんする。そこにハマると生きては戻れない感じ。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001846683

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