著者
高野 明 宇留田 麗
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.113-125, 2002-03-31

近年,学生相談の領域では,心理的不適応の治療を目指したクリニックモデルに基づく活動だけではなく,教育的アプローチや厚生補導的アプローチを含む形で,活動全体を再構成する必要性が唱えられるようになっている。学生相談サービスの幅を効果的に広げるためには,多様な問題を抱える学生にとって,サービス機関へ援助を求めやすいような環境を作る必要がある。本論文では,学生の援助要請行動に注目し,社会心理学における知見をもとに,援助要請行動を促進すると思われる要因を導きだした。そして,日本と米国における学生サービスの現状を概観し,実践において援助要請を促進するために何をなすべきなのか検討した。その結果,学生サービス担当者による心理教育活動の充実,学生の自主グループの組織化と支援や,他職種とのコラボレーションによるシステム構築の必要性が指摘された。

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[counceling][psychology][student] 「学生サービス担当者による心理教育活動の充実,学生の自主グループの組織化と支援や,他職種とのコラボレーションによるシステム構築の必要性が指摘された」

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