- 著者
-
笹川 満廣
木村 正
- 出版者
- 日本動物分類学会
- 雑誌
- 動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.22-30, 1974
Dynatosoma属キノコバエとして,D. maculipes(MATSUMURA), D. major f. sapporoensis OKADAおよびD. reciprocum WALKERの3種が日本に産することは既に報告されている(松村, 1915;岡田, 1939;笹川, 1964)。筆者らは,それらを含む同属の, 日本産種について分類学的検討をおこなった結果,アシマダラフトキノコバエD. maculipes(MATSUMURA)は欧州産D. mgromaculatum LUNDSTROMのシノニムであることが判明し,それに近縁の2種を新種(D. spinimanum, longicorne)として記載した。さらに1未記録種D. cochleare STROBLに類似する新種D. camurumを記載した。本属のキノコバエは中胸背,触角および腿節の色彩ならびに雄外部生殖器,とくにはあく器の構造に種的特徴をみることができる。