著者
西原 利夫 郡 利矩 山形 榮次郎 高橋 秀雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集 (ISSN:00290270)
巻号頁・発行日
vol.17, no.57, pp.118-121, 1951-01

粉体の力学的性質についての研究はクーロン, ランキンの古典土圧論より発達して来, また一方金属の塑性理論を用いても若干の試があるが, 一貫する法則を発見し, 普通的な粉体力学を建設するには至っていない.これは粉体の性質が弾性体のごとく単純ではなく, また, 試験方法も困難なためである.凝集力の小なる粉体はそれ自体では成形しないから, 必ずある容器中に入れて材料試験を行わねばならない.また, 粉体は一度応力を生ぜしめると一般にその等方性, 等質性を失なう.さらに, 応力はこれを生ぜしめた荷重の荷重時間により変化する.そのほか, 種々複雑な因子がはいって来るので, 粉体の性質を究め, 一般的法則を樹立することは極めて困難と言わねばならない.われわれの研究はその第1歩であって, 容器中に一様に詰めた粉体が次第にその内部応心を増大する場合の応力とひずみの関係を求めるためにまず, 主応力と主ひずみとの関係を応力中に引張応力をふくまないで主応力と主ひずみの方向が一致する場合について求めた.実験に用いた粉体は電解銅粉およびアルミニウムの搗碎粉であり, いずれも不定形の微粉で実験前には全体として等質等方と考えてさしつかえないものである.この両者を円筒状容器中に詰め, 圧縮試験および, せん断試験を行った所本文中に示すがごとき結果を得た.これにランキンの土圧論における共約応力の関係を導入し, 主応力と主ひずみの関係式を導いたのである.

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あとで読むかも > 粉体力学(第1報), 1951, 西原ほか, 日本機械学會論文集 17(57), pp.118-121 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002349204

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