- 著者
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角谷 千恵子
荻野 敏
嶽 良博
池田 浩己
榎本 雅夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本アレルギー学会
- 雑誌
- アレルギー (ISSN:00214884)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.7, pp.669-675, 2004
- 被引用文献数
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5
大阪・和歌山において,2003年のスギ花粉飛散のピークと想定された2月24日から3月8日の期間に,16施設の耳鼻咽喉科外来を受診したスギ花粉症患者に対し,初期療法に関するアンケート調査を行った.そのうち,初期療法を受けていた501名のデータから,服薬状況が初期療法の有効性に与える影響を検討した.前年の症状と比べた2003年度の全般的な患者の評価を4段階で判定したところ,服薬率が高い患者群ほど,昨年より症状が軽いとする症例が有意に多かった.また,鼻汁および鼻閉の重症度も軽症化する傾向にあった.服薬率が初期療法の効果に大きく影響することが確認されたことから,服薬率を50%以上,50%未満の2値に分類し,その寄与因子を多変量ロジスティック回帰にて検討した.その結果,学生であること,目薬などのOTC薬の使用者および初期療法が短期間の例では服薬率が50%未満となるリスクが高くなることが判明した.なお,単変量ロジスティック回帰では薬剤費の上昇が高服薬率の要因であった.