著者
安田 尚道
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.1-14, 2003-04-01

万葉仮名の二類の書き分け(上代特殊仮名遣)の存在と,それが音韻の区別に基づくことは,本居宣長・石塚龍麿などがすでに述べていることで,"橋本進吉がのちに宣長・龍麿とは無関係に独立して発見した"との説は認めがたい。橋本がはじめ,"ヌに二類あり,『古事記』ではチにも二類あり"としたのは,龍麿の『仮字遣奥山路』に基づくものである。宣長・龍麿が認めた『古事記』のモの二類の区別を橋本がのちに否定したためこの区別の再確認を行なった池上禎造・有坂秀世は,その過程で『韻鏡』の利用や「音節結合の法則」などから,上代特殊仮名遣が音韻の区別に基づくことを明確にしたのであった。

言及状況

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完了の「り」は本来は動詞の連用形に「あり」が付いたもの。その時に母音のiとaが融合してeの音になった。 よみ+あり→よめり 咲き+あり→咲けり 古事記や萬葉集の時代はiaから出来たeとaiから出来たeを違う漢字で書き分けた。本居宣長と弟子の石塚龍麿が発見した。後に橋本進吉が細かな修正を行なった。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002533318 この ...

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「ただし、彼(宣長)はそれを万葉仮名の一用法と考えたのみで、音韻の問題とは考えなかったようです」(19ペ)って、みぎの ちゅーに やすだ https://t.co/xVqoq4qYHA お あげてるのわ、なに。
CiNii 論文 -  石塚龍麿と橋本進吉 : 上代特殊仮名遣の研究史を再検討する http://t.co/G7dFE9Hj74

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