著者
間淵 洋子
出版者
日本語学会
雑誌
国語学 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.15-30,154, 2000-06

室町期から現代に至る口語的資料を対象とした調査によって,格助詞「で」の用法とその発達について以下の3点を主張する。(1) デ格の基幹的用法は,分布状況や出現度から場所格・手段格・様態格であると考えられ,これらは「動詞が表わす事態への消極的参与」及び「状況の限定」を主に表わす「で」の基幹的意味特性による。(2) 現代語に見られる動作主格や原因格は,室町期には例が少なく,近世以降に発達した用法である。これらは通時的に見ると(1)にあげた基幹的用法から派生的に出現した用法である。このデ格の発達は,文構造における周辺的・付加的な要素から中心的・必須的な要素への参入という方向の変化であると位置付けられる。(3) (2)の変化要因は「一定条件下の文脈における基幹的意味の背景化」と捉えられ,デ格を構成する名詞のバリエーションの増加や,文脈内で注目される意味特性の変化がそれに関与すると考えられる。

言及状況

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> にとでの違いは何ですか。 「に」は動作の方向やモノの場所を表し、「で」は動作が行われた場所を表します。 1)屋根の上に雪を投げる。(動作の方向) 2)屋根の上で雪を投げる。(動作の場所) 3)隣の市に原子力発電所がある。(モノの場所) 4)隣の市でお祭りがある。(動作の場所) > 東京に暮らすは間違い そうとも限りません。実例もあります。 http://www.ok ...

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