著者
大塚 登
出版者
尾道大学
雑誌
尾道大学経済情報論集 (ISSN:13469991)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.87-100, 2003-12

古典物理学における多体運動方程式の数値的解法として、近年、多ステップにおよぶ時間積分においても全エネルギーの誤差が一定範囲に留まるようなSymplectic Integrator解法が注目を集めている。筆者らが行ってきたQMD(Quantum Molecular Dynamics)での重イオン衝突の解析において、運動方程式の数値解法としてこれを適用すべくその内容の検討を行った。また、粒子数が多くなると長時間の計算が必要となるが、近年では、大規模計算をPCクラスタによる並列計算で行うことが盛んとなってきている。並列計算のための並列プログラミングとしては、MPI(Message Passing Interface)と呼ばれる仕様のメッセージパッシングライブラリを用いる方法が広く行われている。本稿ではMPIによる並列プログラミングの概要と、MPIの実装であるmpichのインストールおよび並列計算環境の設定について述べている。最後に、多体運動方程式の数値解法のMPIによる並列計算プログラム例について説明する。

言及状況

外部データベース (DOI)

収集済み URL リスト