著者
稲垣 直樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EIP, [電子化知的財産・社会基盤] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.29-40, 2004-12-04
参考文献数
9

一般的に「日本語全文検索用データベースは、検索速度と再現率の向上、適合率の低減問題が、経済的に成立するかのトレードオフ問題を解決することにあるとされている。多くの「全文検索用データベース」は、速度向上技法として「検索用インデックス・テーブル方式」を採用している。そのテーブル作成は「辞書」と「形態素解析ソフト」を使って機械的に処理している。本報告は、3種の異なる商用「判例データベース」を実務的な同一任意語で検索し、その検索結果から、検索用インデックスや前段階工程である「法律辞書」と「日本語形態素解析ソフト」利用の成果の出来映えを、構文解析的に比較検証したものである。検索結果が判例を探す目的に合致しているか…の視点で、商用「判例DB」の有用性を実測した。同一任意語検索における結果の考察から、独特の構文をもつ「判例DB」には、法律分野専門の「形態素解析ソフト」も必要であり、また「判例DB」の再現率や適合率向上のため、将来の「判例用連想語検索」への道程を示すものである。

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