著者
石井 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.745-751, 1998-08
被引用文献数
23

今日のGUI(Graphical User Interface)の基本概念は30年以上前に生まれた.GUIは情報を"Painted Bits"(ピクセル)としてスクリーンに視覚化する.このGUIの次にくるHCI(Human Computer Interaction)のパラダイムとして, 筆者らは"Tangible Bits"のビジョンを実体化する研究を, MIT Media Labにおいて進めている.Tangible Bitsは, bits(オンライン・ディジタル情報)の世界からatomsの世界(物理世界)への回帰と融合を目指すものであり, tactility(感触)とperipheral sense(気配)を基軸とした, 新しいインターフェース・デザインを展開している.本稿では, 次世代のインターフェース・ビジョン"Tangible Bits"を, 具体的なデザイン例を通して紹介する.そして, 我々の肉体が存在する建築空間そのものを, 人間とサイバースペースとのインターフェースに変えていくという, 新しい方向を提案する.

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