著者
奥村 仁 八木 康史 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2263-2276, 1995-10-15
参考文献数
17
被引用文献数
5

人は道路などを歩く時、環境中のすべてのものに詳細な注意を払うのではなく、環境に対する自已位置推定や障害物の発見など歩行のために必要な情報を環境全体から大まかに把握する(大局視と呼ぶ)。一方、興昧ある物体(作業対象、障害物、道しるべ、近づいてくる物体等)に対しては、人は興味部分を注視し、その部分についての詳細な情報を収集する(局所視と呼ぶ)。人と同様に自律移動ロボットにおいても、目的地までの安全な誘導および目的地での作業など作業内容により、必要とされる観測情報の性質は異なる。本報告では、ロボットにとって必要とされる大局視と局所視との機能を持つ複合視覚センサMISS(Mu1tip1e Image Sensing System)を提案し、試作したプロトタイプの構成について報告する。さらに注視対象の発見からその物体の3次元情報獲得までの一連の処理を両視覚機能の情報を統合することで行う一方法について報告する。大局視では周囲360度を一度に観察できる全方位視覚センサを用い、得られる全方位画像とあらかじめ与えられた周囲環境のモデルとの照合を行い、注視すべき物体(作業対象、障害物等)を発見する。一方、局所視ではその物体を注視しながらいくつかの位置から観測し、注視物体の3次元形状を認識する。

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