著者
加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1536-1546, 1998-05-15
参考文献数
8
被引用文献数
15

本論文は, 表示一体型タブレットとペンを使用する環境におけるペンの操作性を検討し, ペンの特徴やペンUIを設計するときに考慮すべき点を明らかにする.現状のペンUIの多くはマウスUIで用いられてきた対話技法を流用しており, ペンの良さを引き出しているとはいえない.ペンはマウスとは異なったデバイスであり, ペンにふさわしいUIを構築する必要がある.そこで我々は, ペンとマウスの操作性を比較する実験を行った.実験は, ドラッギングでオブジェクトを移動するタスクと, 2つの対象をドラッギングとポインティングで選択するタスクについて行った.その結果, ほとんどの場合ペンはマウスより速く操作できるが, ドラッギングで正確さが要求される操作を行うとき操作回数が多くなること, 長い距離をドラッグする操作や, 右利きの人の場合, 右, 右下の方向への移動をともなう操作では操作時間が長くなるという欠点が明らかになった.このことから, 右・右下方向へ頻繁に移動する対話技法, たとえば従来のドラッギングで選択するプルダウンメニューなどは, ペンには向かないことが予想される.また, ペンはマウスより, 次の操作があらかじめ分かっているとき, 操作がより速くできるようになることが示された.

言及状況

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こんな論文どうですか? ペンユーザインタフェース設計のためのペン操作性の検討(<特集>次世代ヒューマンインタフェース・インタラクション),1998 http://ci.nii.ac.jp/naid/110002722165

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