- 著者
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小谷 善行
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.5, pp.973-984, 1993-05-15
- 被引用文献数
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1
一般人の扱いやすい、日本語表現の論理型プログラミング言語の仕様を設計した。Prologなどの論理型書語は、表現が非日本語的であるだけでなく、述語の引数に存在する変数の間の対応をよく理解するには数学的素養が必要であり、なじみやすくはない。そこで単なるワープロ使用者にも利用可能とすることを想定し、自然な日本語の文構造や語藁体系を素直に反映したプログラミング言語の仕様を設計した。本言語仕様は、述語の引数は陽には記述しないという特徴をもつ。データは、入力と出力の2ポートに区分して述語に与えられる。プログラミングは、メタ述語と呼ばれる演算子で述語間の結びつきを指定することで行う。述語は主としてユーザが定義し、通常、日本語の名詞を用いると読みやすい設計となっている。メタ述語は主としてシステム組込みであり、助詞や接頭語で表される。メタ述語は日本文としての理解と一致するように、語義に基づき選定されている。プログラムは分かち書せず、「祖母とは親の母」のように、ほとんど日本語そのままのプログラム表現となる。本言語によるプログラムは、Plologプログラムを日本語で自然に読み下した文に非常に近い。さらに意味ネットワークなどの知識を記述する観点からも、本仕様はその意味を自然に表現した形になっている。また、本仕様に対しその意味定義を与え、プログラム例による可読性および、システムを試作し効率を調査した。