著者
古山 恒夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.2326-2333, 1996-12-15
参考文献数
12
被引用文献数
12

ソフトウェア信頼度成長曲線に関する統合モデル^<1) 2)>は これまで提案された代表的なモデルをカバーするだけでなく これまでモデル化されていなかった領域もカバーできる. そのため このモデルを用いれば既存のソフトウェア信頼度成長モデルより高い精度で残存フォールト数を推定することができる. しかしながら 統合モデルを表す微分方程式の解の形式は 既存モデルの種別を表すパラメータγの値により飽和型モデルに限っても3つのグループに分かれる. そのため 最適なパラメータ群を推定するためには それぞれのグループに対してパラメータの推定を試みる必要があった. また 最尤推定法によるパラメータ推定では 超越方程式を数値的に解く必要があることから 解の収束に時間がかかったり 解そのものが求まらない場合があるという問題もあった. 本論文では 統合モデルを表す微分方程式の対数をとることにより 得られたデータ系列からこのモデルを表す微分方程式のパラメータを解析的に推定できることを示す. また 推定したパラメータをもとに具体的な推定曲線を求めるための手順を示す. 実際の累積バグデータを用いて 本方式と最尤推定法による残存バグの推定誤差を比較した結果 その差は2%以下であった.The manifold growth model that unifies existing software reliability growth models can cover a wide range of accumulated fault data including various types of data which are difficult to treat with existing models^<1),2)>. However, there are problems. For example, it sometimes takes a long time to solve transcendental equations to estimate parameters of the model by using maximum likelihood estimation, and the solution is difficult to obtain in some cases. This paper shows that the parameters of the differential equation that defined the manifold model can be analytically estimated for the given data by using a "Y-equation" derived from the differential equation. This paper also shows the concrete procedure for determining the most appropriate software reliability growth model, or the most appropriate shape of curve from Y-equation. Finally, the effectiveness of the Y-equation is shown by applying it to both ideal and actual data.

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? ソフトウェア信頼度成長モデルに関する統合モデルの解析的パラメータ推定法(古山 恒夫),1996 https://t.co/1aR6V86fGh

収集済み URL リスト