著者
田村 直良 片山 卓也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.260-267, 1984-03-15

本論文では双方向性階層的関数型プログラミングBi-HFPを提案する.HFPでは 一つの処理単位をモジュールによって表す.各モジュールは値の授受のために入力属性挫出力属性のリストをもつが この属性の値がある条件(結合条件)を満たしたときに 親モジュールをより簡単な処理を行う子モジュールに分割する.分割時には 親 子モジュール間の属性方程式(意味規則)に従ってさらにいくつかの属性値が決定される.Bi-HFPにおいてはHFPと同一な記述を 結合条件が満たされたときに子モジュールが親モジュールに統合されるというようにも拡張解釈する.Bi-HFPの記述例としてパーザについて述べる.われわれの方法では 扱う文脈自由文法の非終端記号をモジュールに 生成規則をモジュールの分割統合に対応させる.処理する入力文字列を親モジュールの入力属性に与え この文字列の先頭が適したものであるかどうかを結合条件に用いるとトップ・ダウン・パーザが記述できる.また 子モジュールに対応する部分文字列が連続であるかどうかを結合条件とするとボトム・アップ・パーザが得られる.両方式とも自然言語の意味についての属性 属性方程式を導入することによって自然言語処理へと拡張することが可能である.われれはまた Bi-HFPの操作的意味を定義する.Bi-HFPの計算の状態は モジュールの階層的分割関係を示す木(計算木)の集合により表されるが この状態に関する2項関係によりBi-HFPの計算過程は定義される.

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双方向性階層的関数型プログラミングBi - HFPとその構文解析への応用 https://t.co/wwjBJ17iFT

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