著者
岩崎 賢
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.679-702, 2003-12-30

本稿の目的は古代アステカ人の宗教伝統の中心的要素である人身供犠に関して、宗教学的視点から新たな解釈を行い、従来と異なるより適当なアステカ宗教像を提示することにある。メキシコの歴史家アルフォンソ・カソの議論以来、研究者はアステカ人の供犠の説明として、アステカ人の神話に基づいて、彼らは人間の体を食料として捧げることで守護神である太陽神に活力を与え養おうとした、という説を採用してきた。しかし近年のいくつかの考古学的発見により、このような「太陽神の食事」式の説明はもはや支持し得ないものとなってきている。実際、この儀礼はいわゆる原初巨人解体神話という神話的主題、および建築儀礼との関連において理解されるべきである。筆者はここで「食べる」と「建てる」という二つの概念を鍵として、アステカ宗教と供犠の新たな理解のあり方を探りたいと考えている。

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CiNii 論文 -  古代アステカ人の供犠 : 「食べる」と「建てる」 http://t.co/1T23W7zWXt 日本で珍しくアステカの宗教を研究されてる方。他の論文もpdfで読めるものあり。テスカトリポカ愛が強い。
CiNii 論文 -  古代アステカ人の供犠 : 「食べる」と「建てる」  岩崎賢 http://t.co/1T23W7zWXt #CiNii 冬至の祭り・パンケツァリストリの大まかな流れ。

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