著者
北村 新三 浦 慶 田中 克己
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.92-93, 1989-03-15

観測データからシステムの内部状態を求める逆問題は第一種Fredholm積分方程式を解くことに帰着することが多い。しかし、第一種Fredholm積分方程式には解析解がないので、数値解法として差分近似の連立方程式を解くことで対処するかが普通である。1960年代に入り、Tikhonov、Phillips、Twomeyらによって、一種の近似解の解法が確立された。これらの解法では通常測定データに誤差が入ると解が振動するため、これを滑らかにすることを目的として、Lagrange未定常数を導入している。この常数の選び方あるいは最適値については、多くの研究がされているが、最もよい方法がないのが現状である。本研究ではニューラルネットワークを用いて第一種Fredholm積分方程式の新しい近似解法を提案する。本手法は積分方程式の性質を、実例を用いてニューラルネットワークに学習させ、ネットワークのニューロン間の結合係数に覚えさせ、そして、誤差を含んだ未学習の測定データ(ネットワークの入力)に対しても、安定な解(出力)を得るものである。

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 6 favorites)

CiNii 論文 -  ニューラルネットワークによる第一種Fredholm積分方程式の解法 発表年が意外だった https://t.co/5FEY5SpzKh
逆問題における、観測情報と内部状態を学習させたっぽいね http://t.co/TY1XjbRlJ4

収集済み URL リスト