著者
松本 剛 大澤 範高 弓場 敏嗣
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-2, 1995-03-15

並列プログラムにおいて実行時間を速くするために重要なことの一つは、そのプログラムに内在する並列性をどのように抽出するかである。一般に並列処理を行なうと並列処理オーバヘッドと呼ばれるものが存在する。並列オーバヘッドは処理粒度を細かくすると大きくなり実行時間に影響を与える。一方、粒度を粗くすると並列性が少なくなってしまう。したがってその間に並列性があり、実行時間が速くなるような粒度がある。本研究では、処理粒度を変えることが可能で、静的に解析可能なプログラムについて処理粒度調整を行なった。また、静的に解析可能な並列プログラムが粒度調整によって高速化が可能か不可能かを並列計算機上で実際に粒度調整をしながら調べるのは効率が悪い。そこで並列計算機のモデルを考えてその上で、粒度調整を行なった時の実行時間を予測する式を作り、実行時間が最も速くなるような最適な粒度を求めることを考える。並列計算機のモデルとしてPRAMモデル、LogPモデル[1]と本研究で提案したオーバヘッドの種類を拡張したモデルの3種類を使い、それぞれのモデルから推測される最適な粒度と実機との違いについて考察する。

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