著者
山田 善大 峰野 博史 池谷 利明 太田 賢 水野 忠則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.541-542, 1997-03-12

最近の小型携帯端末の発展・普及に伴い, 携帯電話や PHS を利用したデータ通信などを行うモーバイルコンピューティングの形態が特に注目されるようになっている. この形態はユーザがどのような場所・時間においてもコンピュータを扱うことができるため, 様々な利用方法を考えることができる. しかしワイヤレス通信は, 帯域幅が制限され,通信コストも高く, 転送の途切れが生じる恐れがある等の理由により, デスクトップマシンのような扱いは難しいと考えられる. 従来の電子会議では参加者同士がリアルタイムに通信を行うため, 安定した通信環境の保証がなくては実現は難しいものであった. 本稿においては, 携帯端末を用いるユーザが電子会議に参加するためのシステムである PARCAE(Partial AsynchRonous Conference system for wireless AccEss)のサーバ部の設計・実装について述べる. このシステムには, 同期ユーザと非同期ユーザという二つの形態のユーザが存在すると定義する. 同期ユーザは主に LAN に接続されたユーザであり, 会議中に発言をすることで会議に参加する. 非同期ユーザは携帯端末の利用を主とし, 他参加者の発言をリアルタイムに受け取ることはないが会議参加者に認識され, 過去の発言データの取得・参照を行う事で不在時の会議の内容を知り, 会議にスムーズに途中参加できる.サーバは, 発言データの配送と格納, 発言データの加工処理, そして会議での発言権の制御を遂行する.

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