著者
小室睦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.55, pp.57-64, 1995-05-31
参考文献数
6

Dylan (Ynamic LANguag)はSmalltalk,CLOSの系譜に属する新しい動的オブジェクト指向言語(ODL,Object Oriented Dynamic Languag)である。Dylanはすぐれた開発環境、デバッグの容易さ、自動メモリ管理など動的言語の特長を保持する一方、小さいアプリケーションの作成、高い実行効率といった、従来C、C++などの静的言語に帰せられていた特長をも実現できるよう設計されている。Dylanはすべてがオブジェクトからなるオブジェクトシステムを持つ点ではSmalltalkに似ているが、メソッドディスパッチや関数定義の扱い方など多くの言語仕様にはCLOSおよびSchemeの影響が見られる。Smalltalk,CLOSに代表される既存の動的オブジェクト指向言語とDylanとの大きな違いは開発環境と実行環境の分離というコンセプトにある。

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