著者
増井 重弘 寺野 寿郎 関口 俊宏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.1000-1011, 1994-10-15
被引用文献数
22

情報メディアとしての画像処理の研究としては、これまでのようにコンピュータ上の処理による2次元画像の輪郭や形状をはっきりさせる画像の認識のみでなく、画像の持つ情報内容に立ち入った研究を行う必要がある。人間は、対象物である画像を目でとらえ、持ち合わせている経験や知識を柔軟に用いて、認識や判断を瞬時に行い、意味内容をも理解する。この人間の視覚情報の処理過程は非常に複雑で簡単には理解できない。ましてコンピュータ上で画像の意味を理解させ、人間に伝えることは大変困難なことである。本論文はその第一歩として、風景画の構成要素を認識し、この認識結果をふまえた言語表現を行うことで、画像理解と定義づけ実験を試みた。そして、この風景画による画像から人間への情報伝達について人間が持つ認識と言語表現に近い方法による画像理解について提案する。風景画の構成要素は同一要素であっても不定形であるので数式的な扱いは困難である。そこで、構成要素をファジィ理論を用いたフレーム形式の内部知識を用いて入力画像とのファジィマッチングにより認識を行った。また、風景画の言語表現をするにあたって、人間の情報認識形態をアイカメラによる注視実験により調べるとともに、人間による画像の言語表現に基づいてどのような表現が適格であるかを調べた。その結果、画像の言語表現には構成要素の位置、大きさ、形の情報とシーンの全体表現が必要であることが解った。自然言語表現も定性的表現となるのでファジィ論理を用いて言語表現方式を構築した。この言語表現による風景画の再現実験の結果は、ほぼ原画に近い状態で再現された。

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こんな論文どうですか? ファジィ論理を用いた風景画の画像理解(<特集>ファジィ画像情報処理)(増井重弘ほか),1994 http://id.CiNii.jp/MU6BL

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