- 著者
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小孫 康平
田多 英興
- 出版者
- 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.1, pp.29-38, 2004
- 被引用文献数
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本研究では,ワーキングメモリの負荷が精神活動の指標である瞬目活動に及ぼす影響について検討した.実験では,日本語版リーディングスパンテスト(RST)を用いてワーキングメモリの負荷を操作した.実験参加者は,大学生・大学院生15名であった.その結果,(1)負荷が低い2文および負荷が非常に高い5文では,再生中の瞬目率の方が再生後の瞬目率より有意に高かった.(2)再生中の瞬目率では各文条件間で有意差は認められなかったが,再生後の瞬目率では3文および4文は2文より有意に高かった.このことは,ワーキングメモリ上の処理資源の減少が瞬目活動に影響を与えることを示唆する.(3)外的注意を伴う音読中の瞬目率は,内的注意を伴う再生中および再生後の瞬目率より有意に低かった.(4)瞬目率ピークは,再生指示の開始後や再生開始直後に形成された.このことは,刺激の処理終了や認知的努力を伴う意識的処理が行われたことを示唆する.