著者
小孫 康平
出版者
AI時代の教育学会
雑誌
AI時代の教育論文誌 (ISSN:24364509)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.13-18, 2021 (Released:2022-01-12)
参考文献数
20

本研究では,教職志望大学生269名を対象にアンケート調査を実施し,eスポーツに対する考え方やeスポーツを学校に導入する際の課題を明らかにするためにテキスト分析を行った。また,eスポーツについて説明した教職志望大学生のための情報モラル教育の指導法について検討した。その結果,135名(50.2%)がeスポーツを学校に導入することに賛成,134名(49.8%)が反対であった。反対者は,ゲーム依存や学習に影響を及ぼす可能性があり,視力低下を心配していることが明らかになった。このようにeスポーツにおけるビデオゲームに対する不安や懸念があるので,情報モラル教育の中でeスポーツの説明を通してビデオゲームと上手に付き合う方法を指導する必要性が示唆された。
著者
小孫 康平
出版者
AI時代の教育学会
雑誌
AI時代の教育論文誌 (ISSN:24364509)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.38-45, 2022 (Released:2023-04-07)
参考文献数
10

本研究では,文系大学生(経営情報学部生,教育学部・文学部・人間科学部で教職課程履修生)209名を対象に,AI(人工知能)およびソーシャルロボットに対する期待・不安に関する認識を所属やAIのイメージ(ネガティブ・ポジティブ)別で明らかにした.その結果,所属やイメージ別で認識が異なっていることが明らかになった.また,「AIと社会」の授業実践では,AIやソーシャルロボットの可能性と限界,社会的影響を考えるきっかけになったと評価しており,認識が授業の目的に沿うように変化していた.
著者
宮地 功 岸 誠一 小孫 康平
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.33-44, 1994-01-31 (Released:2017-06-06)
参考文献数
7

人間関係を育成する上で,ソシオメトリーは貴重な資料を提供できる.この技法を有効に機能させ,テストの信頼性と妥当性を高めるために,構成員全員を対象にした間隔尺度データに基づくソシオメトリックテスト法を提案する.この方式によって得られる指標を提案する.このテスト法によって得られるデータを処理加工し,分析結果を図表化するシステムを開発した.従来得られていた図表に重みを含めて,選択と排斥データ表,選択と排斥関係表,被選択児童とその理由リスト,被選択の理由と度数,被排斥児童とその理由リスト,被排斥の理由と度数,相互選択児童とその理由リスト,相互排斥児童とその理由リスト,矛盾選択関係の児童とその理由リストが得られる.また,提案した方法の特徴である重みを考慮した重み付き選択と排斥関係表,個人の友達関係図,選好度表,学級の友達関係図,友達関係伝播図のような従来得られなかった情報が得られる.この間隔尺度法を実際に活用した結果,利用した教師からかなり有効でわかりやすい加工情報が提供されるという良好な評価が得られた.
著者
小孫 康平 田多 英興
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.29-38, 2004
被引用文献数
3 1

本研究では,ワーキングメモリの負荷が精神活動の指標である瞬目活動に及ぼす影響について検討した.実験では,日本語版リーディングスパンテスト(RST)を用いてワーキングメモリの負荷を操作した.実験参加者は,大学生・大学院生15名であった.その結果,(1)負荷が低い2文および負荷が非常に高い5文では,再生中の瞬目率の方が再生後の瞬目率より有意に高かった.(2)再生中の瞬目率では各文条件間で有意差は認められなかったが,再生後の瞬目率では3文および4文は2文より有意に高かった.このことは,ワーキングメモリ上の処理資源の減少が瞬目活動に影響を与えることを示唆する.(3)外的注意を伴う音読中の瞬目率は,内的注意を伴う再生中および再生後の瞬目率より有意に低かった.(4)瞬目率ピークは,再生指示の開始後や再生開始直後に形成された.このことは,刺激の処理終了や認知的努力を伴う意識的処理が行われたことを示唆する.
著者
小孫 康平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.41-44, 2008

本研究の目的は,瞬目の頻度のみに関する情報から職業別人物の印象形成に及ぼす影響について検討することである.調査対象者は大学生110名(男性61名,女性49名)であった.調査内容は,「総理大臣・若い人気のある歌手・人気のあるお笑い芸人でまばたきをよくする人,あまりしない人」といった文章呈示によってイメージされる人物の印象である.評定は7段階尺度でSD法を用いた.因子分析の結果,情緒安定性因子,親近性因子,知性因子の3因子を抽出した.また,瞬目が多いといわれる人は,全体的に情緒安定性に欠けている人であると思い込まれていることが示された.特に,「総理大臣でまばたきをよくする人」は情緒安定性に欠けている人であると思い込まれていることが明らかになった.