著者
堤 浩之 岡田 篤正 中田 高 安藤 雅孝
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.40, pp.p113-127, 1992-12
被引用文献数
1

四国中央部における中央構造線の活動的なセグメントのひとつ岡村断層のトレンチ発掘調査を1988年3月愛媛県西条市で行なった。断層と地層の変形構造を水平方向に明らかにすることにより断層運動に伴う水平変位量の解明を試みた。壁面で観察される断層の構造は横ずれ断層に共通する特徴を備えている。断層を挟んでの地層の食い違いは右ずれを示し, 断層変位地形から推定される岡村断層の変位のセンスと一致する。地層の変形と^<14>C年代測定結果に基づいて最近2回のイベントを解読した。最新イベントは断層がすべての自然堆積の地層を切断するためその時期を確定することはできないが, それに伴う変位量が右ずれ約5.7 mと求められる。それより1回前のイベントはB.C. 1405~925年にあったと推定される。特定の谷がら供給される地層の年代と供給源との位置関係から過去1万数千年の岡村断層の右ずれ変位速度が6.8 mm/yr以下と推定される。

言及状況

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こんな論文どうですか? 中央構造線岡村断層の地表付近の構造と完新世の活動--1988年春季西条地区トレンチ発掘調査 (中央構造線のネオテクトニクス--その意義と問題(堤 浩之ほか),1992 https://t.co/0RR44ofLsf 四国中央…

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