著者
近藤 智嗣
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.73-84, 2001-09-20
被引用文献数
2

仮想空間を用いることで,大規模空間の表現における従来の映像メディアの問題点を改善することが可能となってきた.本研究で使用した仮想空間は,パノラマ画像を円筒形状に表示する手法であり,実写画像を素材に使用できることや制作が容易なこと等から教育応用においてもその実用性と効果が期待できる.本研究の目的は,この仮想空間を効果的に教育へ応用するために,1)利用者の空間定位から学習環境としての適切性を検討する,2)そのナビゲーション過程を分析することで利用者の特徴や問題点を抽出する,3)迷子の発生しやすい空間構造を分析する,ことであった.本研究では,ある公園の仮想空間を作成し,小学生を被験者として,指定されたルートをたどる移動課題と,公園内のベンチを探す探索課題の実験を行った.実験結果からは,抽出した問題点の改善方法を提案した.

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