著者
溝口 耕三 岡本 健久 田中 洪
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.343-350, 1999-05-01
被引用文献数
2

この研究は, 慣れ易い音は騒音になりにくいという観点から, 騒音に対する慣れに着目し, 音環境を評価する方法の研究である。慣れは, 聴覚に連続的あるいは繰り返して刺激が加わると起こる現象で, 徐々に刺激に対する反応が減少し, やがては消滅する現象である。しかし, 慣れは, 従来の精神物理学的測定法を用いた測定が困難であると指摘されている。慣れを測定する一つの方法として, 以前にカテゴリ連続判断法が提案されている。この方法は有望ではあるが, 計測に多くの時間を必要とする。本研究では, 注意が向けられない刺激ほど慣れ易いという仮説を基に, 慣れの指標として選択的注意を用いた新しい方法を提案している。実験では, 被験者はタスクを負荷されており, 同時にラウドネスの変化に気が付いたとき, ボタンを押すように指示されている。被験者が作業に集中し, 音に注意を払わなければ, ラウドネスの小さな変化をのがしてしまうことになる。従って, 反応の回数が慣れの指標となる。この方法は多くの時間を要しない上に, 確実性も高い。

言及状況

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何度か聴くうちにその曲の気づかなかった良さの発見、解釈に深みが出る 慣れ(人は慣れないものに違和感・嫌悪感を抱きます) 愛着が沸く こんな感じ? 追記: だとしたら、脳科学や音響学・音響心理学でしょうか。 スルメ曲に対しての論文は少ないと思いますが、慣れ・習慣とかの論文はありそうですね。 それっぽいものを。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110003 ...

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