著者
藤崎 和香 柏野 牧夫
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.759-767, 2001-12-01
被引用文献数
6 5

音高知覚には基底膜振動のピーク位置(場所情報)と聴神経の発火の周期性(時間情報)の両方の情報が関わっている。音楽経験や絶対音感の有無によってこれらの情報の利用に違いが見られるかを場所情報と時間情報を独立に操作した刺激を用いて検討した。主に場所情報により音高知覚が生じ時間情報はあいまいである刺激として狭帯域雑音, 時間情報のみ利用可能な刺激として反復リプル雑音, 両情報が利用可能な刺激として純音を用いた。実験の結果, クロマの同定には時間情報, ハイトの同定には場所情報が主要な役割を果たしていることが示された。また, 絶対音感保持者は時間情報を有効に利用して音名の同定を行っていることが明らかになった。

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