著者
仁科 健
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.104-110, 1999-01-15

累積和管理図の設計法は二つある.一つは, ARL(Average Run Length)による方法であり, 他方は, Johnsonらにより提案されたWaldの逐次検定による方法である.累積和管理図のように連続する統計量が独立ではない管理図の性能を確率的に説明することはそれほど簡単ではない.仁科^[2]は, 異常判定までの時間の確率分布(RLD)のハザード関数により, 時間的意味を持つARLに保守的な確率的意味を与えた.一方, Waldの逐次検定による設計方法に対しては, 第一種の過誤の確率に関する厳密な議論はされていない.本論文は, 累積和統計量のマルコフ性と観測値の分布に仮定する単調尤度比の性質からWaldの逐次検定を基礎とした累積和管理図の設計方法が幾何分布のハザード関数の意味で保守的であり, かつARLによる設計より保守的であることを示している.また, 数値計算によりその保守性の程度と検出力への影響を示す.

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