著者
永野 秀尚 柏野 邦夫 村瀬 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.1179-1188, 2004-05-01
被引用文献数
6

音声が音楽に重畳した音響信号(蓄積信号)中から,参照信号として与えられた音楽が音声の背景に含まれる区間(目的区間)を見つけ出すことを背景音楽探索と呼ぶ.本論文では,この背景音楽探索を高速に行う手法について述べる.背景音楽探索では,探索の目的となる目的区間においても,他の音声の重畳により,その音響信号は参照信号と著しく異なり,参照信号を蓄積信号と直接照合する手法での探索は困難である.そこで,参照信号のスペクトログラムを時間周波数領域において多数の小領域に分割し,これらの小領域スペクトログラムと類似度の高い小領域スペクトログラムをもつ時点を蓄積信号のスペクトログラムから探索し,その探索結果を統合することで,目的区間を探索する手法を提案する.本手法は,参照信号の各小領域スペクトログラムと類似度の高い小領域スペクトログラムのみを,蓄積信号のスペクトログラムから,高速な探索手法を用いて探索することで,背景音楽探索全体を高速に行うことを特徴とする.実験では,各小領域スペクトログラムの探索に時系列アクティブ探索法(TAS)を用いることで,約30分の蓄積信号からの15秒の目的区間の背景音楽探索を1秒未満で行うことができた.

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