著者
鈴木 優 波多野 賢治 吉川 正俊 植村 俊亮 川越 恭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.177, pp.195-200, 2004-07-07

現在,多くの検索システムを組み合わせることによって,検索システムの精度を向上させる方法が注目されている.このような検索システムでは,統合関数と呼ばれる,複数のスコアを統合するための関数を変更することによって,精度が向上することが知られている.ところが,最適な統合関数は利用者の問合せによって異なると考えられるため,あらかじめ一意に統合関数を定めることができない.ここで我々は,統合後のスコアの分布から,最適な統合関数を推定することができるのではないかと考えた.そこで本稿では,最適な統合関数を問合せごとに推定する方法として,シャノンの情報量の概念を援用した尺度を用いて,スコアの分布から統合関数の適合度を測定する方法の提案を行う.本提案では,利用者にとって必要な検索対象の数が検索対象全体の数と比較してきわめて少なく,検索結果に含まれる高いスコアの数が少ないとき,その検索結果は十分に正解集合を絞り込んでいると考えることができるため,利用者の検索目的に適した統合関数であると仮定した.評価実験を行うことによって,実際に適した統合関数を選択することができることを示した.

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