- 著者
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伊藤 孝行
横尾 真
松原 繁夫
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.102, no.614, pp.11-16, 2003-01-23
インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば,骨董品が売られていたとしても,その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽物か)について正確に判断ができない場合,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルの設計に成功した.本論文では,上のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識を持つ場合と複数の財に専門知識を持つ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題になっている.そこで,本論文では,まず前者の場合のオークションプロトコルを設計する.すなわち,単一の財に関して専門知識と興味を持つ専門家に自然の選択に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.