- 著者
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森田 浩一
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
- 巻号頁・発行日
- vol.82, no.8, pp.1515-1522, 1999-08-25
- 被引用文献数
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7
6
近年, 環境問題の対策として電子通信機器用電源に対して省電力や低ノイズの重要性が指摘されている. 本論文では, これらを満足するソフトスイッチング電源を実現できたので報告する. 製作した電源のノイズレベルは公的に決められているCISPRのClass-Bの伝導ノイズ規制値よりも更に30dBも低く, 輻射(ふくしゃ)ノイズも非常に低い. また低ノイズスイッチング電源を製作するときに増加しがちな漏洩(ろうえい)電流も0.2mA以下に抑えることができ, 更に電力効率も今までの方式に比べて5%程度良好になった. 回路方式は, ハーフブリッジ方式で構成され, ソフトスイッチングで動作し, メイン回路の部品点数も非常に少ない. またトランスは漏洩インダクタンスを利用できるので, 1次2次間の巻線を分離して巻くことが可能で, 1次2次間の浮遊容量を非常に小さくすることができた. このためノイズが発生しても発生したノイズが外部に伝わりにくいという特徴をもっており, 超低ノイズスイッチング電源に特に適している. 特に, ここでは, この超低ノイズ電源の動作原理, 動作解析, 発振周波数特性, 効率特性, ノイズデータ等を紹介するとともにノイズ発生のメカニズムとその低減法について説明する.