著者
一岡 義宏 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1299-1310, 2001-07-01
被引用文献数
7

本論文では, 不特定多数の人で混み合う都市型コミュニティでの人々の生活や行動を支援する情報提供システムの新しいアーキテクチャを提案するとともに, 本システム実現のために必要な赤外線簡易放送型通信プロトコルIrBRCとIrUCIS を提案する。提案システムは, 扱う情報を「上映用コンテンツ」と「持帰り用コンテンツ」に分けることによって, 発信者により生産, 発信された情報を受信者が手持ちの携帯端末に受信し, 移動しながら自由に閲覧できるモバイル時代のスタイルを可能にし, 発信者から受信者への情報の生産, 配信, 消費という情報の流通を生み出すことを目的として開発したシステムである。本システムは, 狭いエリアでの集中した情報取得要求によって引き起こされる配信サーバへの負荷の集中を, メインサーバとエリア内に点在させた近傍サーバによる階層化構成によって分散させることで解決し, 一方で分散化によって引き起こされる情報内容の一貫性の問題を, 情報のバージョン管理を行い変更による差分データをメインサーバから近傍サーバへ迅速に配信することで解決した。更に, 近傍サーバでの情報取得アクセスによる輻輳は, 赤外線による簡易放送型通信を用いることで解決した。

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