著者
原 嘉孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.2027-2039, 2001-11-01
被引用文献数
32

SMI(Sample Matrix Inversion)アダプティブアレーでは, その構成成法によっては相関行列演算と相関ベクトル演算に用いるサンプルが一致しない場合も想定される.本論文では, 相関行列と相関ベクトルの演算サンプルに関して様々な条件設定を行い, 理論解析とシミュレーションの両面からSMIアダプティブアレーのウェイト収束特性について論じる.性能評価の結果, TDMA(Time Division Multiple Access)方式で多く見られる希望信号電力が他の干渉電力に対して強い環境では, 相関行列と相関ベクトルを同一サンプルで演算することが強く望まれることがわかった.また, CDMA(Code Division Multiple Access)方式で多く見られる逆拡散前の希望信号電力が他の干渉電力に対して弱い環境では, 相関行列と相関ベクトルの演算に異なるサンプルを用いる構成が有効であることがわかった.

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