- 著者
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上加世田 宏
境 隆一
笠原 正雄
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
- 巻号頁・発行日
- vol.93, no.380, pp.1-6, 1993-12-15
Mix netを用いた電子選挙においては,センタが不正を行なった場合,異義申し立ては可能であるが,無効となった投票結果が露呈する欠点を有している.本稿では,投票用紙を複数の鍵で暗号化することにより,不正が行なわれた場合,各投票内容を明かさずに意義申し立てが行なえる方式を提案する.提案する方式は,はじめに各投票者が投票用紙を複数の鍵で暗号化し,それをMix netに送り,次に,Mix netは送られてきた投票用紙をシャッフルする.ここで,不正の有無を確認し,不正がない場合にのみセンタがVSS(verifiable secret sharing)を行ない復号する方式である.