著者
川崎 順治 飯島 泰蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.774-780, 1994-04-25
被引用文献数
37

例えば,白黒2値表示した画像にディザ法をかけると,私たちは,擬似的に中間調が見えてより鮮明な画像として認識していることを経験する.これは,人間が細部に注目しない場合は対象全体を大まかにとらえて,より多値の鮮明な画像を認識できるということである.本論文は,このような外界・網膜・脳を通じて階層的に行われる視覚神経の自然な情報処理の様相を,視覚モデルによってとらえ理論的に明らかにし,実験的に確認した.まず,パルス密度変調されたディジタル画像を外界の入力画像とし,網膜のレベルで視点・視野を考えぼけを含んだ画像として扱い,脳のレベルで関数方程式の解として復元画像を導出した.この解はエルミートの多項式をもち,級数和の項数が漸近級数類似の特性をもつことが示された.すなわち,比較的小さな有限項の最適近似項数で,入力画像を予想どおり原画像のアナログ画像に復元して認識できることが明らかになった.本質を理解しやすくするために1次元モデルとして取り扱われたが,基本的には2次元モデルに拡張されると考えられる.

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こんな論文どうですか? 視覚モデルによるパルス密度変調画像の復元 : 視点・視野を考慮した1次元モデルの解析法(川崎 順治ほか),1994 http://t.co/lcSysRsH

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