著者
川崎 順治 飯島 泰蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.1333-1342, 1997-06-25
被引用文献数
24 4

私たちがものを見るとき, 特に細かい部分に注目しない限り, まず対象全体を大まかにとらえている. 例えば, 1画素ごとには白黒の2値画像を見ても距離をおいて全体を眺めると, もとの鮮明な画像に近い擬似濃淡画像を認識できる経験をしている. 本論文の目的は, このように情報処理が自然に行われ, 画像を強調してより鮮明に見える視覚モデルを構築することである. 我々は今までに, 外界・網膜・脳を通じて階層的に行われる視覚モデルを定式化した. 本論文では外界からの入力画像のパルス密度変調されたディジタル画像が, 方形画像と余弦画像と三角画像の精度の良いアナログ画像に復元できたシミュレーションの結果を示す. 次に, 任意の画像の復元を求めるために, パルス間隔が最も疎となる間隔で等間隔に並べた方形画像の最良近似項Moを用いる等価近似法を提案する. この方法によって良好な復元画像が求まり, 等価近似法の有効性が明らかになった. 以上のことにより, 1次元視覚モデルが構築できたと考えている.
著者
川崎 順治 飯島 泰蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.774-780, 1994-04-25
被引用文献数
37

例えば,白黒2値表示した画像にディザ法をかけると,私たちは,擬似的に中間調が見えてより鮮明な画像として認識していることを経験する.これは,人間が細部に注目しない場合は対象全体を大まかにとらえて,より多値の鮮明な画像を認識できるということである.本論文は,このような外界・網膜・脳を通じて階層的に行われる視覚神経の自然な情報処理の様相を,視覚モデルによってとらえ理論的に明らかにし,実験的に確認した.まず,パルス密度変調されたディジタル画像を外界の入力画像とし,網膜のレベルで視点・視野を考えぼけを含んだ画像として扱い,脳のレベルで関数方程式の解として復元画像を導出した.この解はエルミートの多項式をもち,級数和の項数が漸近級数類似の特性をもつことが示された.すなわち,比較的小さな有限項の最適近似項数で,入力画像を予想どおり原画像のアナログ画像に復元して認識できることが明らかになった.本質を理解しやすくするために1次元モデルとして取り扱われたが,基本的には2次元モデルに拡張されると考えられる.
著者
北村 直人 川崎 順治 加藤 恭子 飯島 泰蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.324, pp.7-12, 2003-09-18

人間は,1画素ごとには白黒の2値画像を見ても全体を眺めると,擬似濃淡画像として認識できる経験をしている.我々は今までに,外界・網膜・脳を通して階層的に行われ擬似濃淡画像として認識する視覚モデルとその等価近似法を構築し,各種変調画像の画質評価法を提案した.本論文の目的は,従来の等価近似法において,窓のサイズが変調方式によって異なる不便さを解決する.更に窓のサイズを見つけることが困難な変調方式の場合でも評価できるように,固定型等価近似法を提案することである.窓のサイズと最良近似項数を固定しパルス密度4分割法,組織的ディザ法,平均誤差最小法,単純2値化法,ランダムディザ法の主観的な優劣が近似度で評価でき,固定型等価近似法の有効性が示された.更に,固定型等価近似法による評価が視覚モデルによる方法や等価近似法と比較して,ほぼ同精度ではるかに短時間に高速計算ができることにより,画像や変調方式の数が増えても作業時間的により簡便な方法であることが明らかになった.