著者
柳井 孝介 廣瀬 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.730, pp.67-72, 2003-03-11

生体神経回路では、活性化するニューロンの位置関係が刺激の意味と密接な関係を持つ。そこで、われわれは人工的な情報処理方式として、連続的な場を考えその中を情報の担体(キャリア)が移動し近傍と相互作用することによって情報処理を行う「ベクトル場マシン」を提案する。そして、特にその処理空間の位相(トポロジー)が学習や処理に対して大きな影響を与えることを示す。本報告は、ベクトル場マシンをソフトウェアとして構成し、数値実験を行った結果を示す。課題として視覚の初期処理を考え、さまざまな角度の棒線刺激が入力されたときに、物理的な角度の相似度がそのまま情報的な相似度であると考えられるような近さ・速さにあるニューロンが発火するようなマッピングの学習を進める。角度情報は周期性を有する。このため、処理を行うベクトル場が周期的なトポロジーを持つことが、有利に働くと期待される。数値実験により、そのことが確認されたことを報告する。

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