- 著者
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末次 晃
喜多 伸一
松嶋 隆二
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
- 巻号頁・発行日
- vol.98, no.128, pp.17-24, 1998-06-18
短い時間間隔で同じ位置に呈示された二つの対象間に生じる, 動眼回転性錯視(oculogyal illusion, 以下ではOGI)の見かけの偏位の特性を検討した.前庭への刺激として等速回転停止を用いて, 5種類の回転条件で8名の被験者が0.8秒間隔で呈示された対象間の偏位を120秒間(30試行)評定した.第1試行で偏位の大きさは最大値をとり、時間経過とともに単調に減衰した.この時間特性は, 我々が先行研究で明らかにしたOGIの見かけの動きと同じであったが, 主観的正中面からの見かけの偏位とは異なるものであった.この結果から, 本研究で用いた見かけの偏位は, allocentric coordinatesで処理されるであろうと結論した.