- 著者
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山口 誠
山本 幹
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.100, no.670, pp.313-320, 2001-03-09
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
2
特定多数の受信ノードに対し信頼性を維持しながら同一情報を転送する信頼性マルチキャストでは,一般的にエンド-エンド間での制御によってスループットが最も低い受信ノードに合わせて情報の転送が行われる.最も低い受信ノードにあわせた場合,同一マルチキャストグループに属する他の受信ノードにおいて,自らが受信できる限界よりかなり低いスループットしか得られないという状況が生じる.これは,各受信ノードの輻輳状況が異なることが一般的にみられる,マルチキャスト通信特有の問題である.この観点からみた受信ノード間の公平性は,Intra-session Fairnessと呼ばれる.信頼性マルチキャストにおいて,エンド-エンド間での制御だけでIntra-session Fairnessを実現するのは不可能である.本稿では,Intra-session Fairnessを実現するため,ネットワーク内にサーバを配置しネットワーク支援を通用することによりサーバが独自にダウンリンクに対して輻輳制御を行う方式を提案し,シミュレーションにより評価を行った.